Halopedia
登録
Advertisement

出典: Halopedia英語版Halo PC

Halo: Combat Evolvedは当初、PCとMac向けに制作されていたソフトであった。Halo開発中にBungieはMicrosoftに買収され、発売を控えたXBOX向けにプラットフォームを変更することになる。その後、米国で2003年9月30日、Gearbox SoftwareはPC向けのHaloを、いくつかの追加要素を含めてリリースした(また逆に、移植の際にはキャンペーンの協力プレイ機能はまるごと削除された)。その後、Mac用のHaloも発売。HaloのPC版(同Mac版)はXBOX版にはなかったいくつかの要素が追加されている。

日本では、Windows版が2003年11月14日に、Mac版が2004年9月17日に発売された。小売店ではPCゲームとしては異例のキャンペーンを行っており、販売促進用のビデオを上映していたり、普段PCゲームの宣伝をしていないような店舗でもポスターを貼ったり、大量に製品パッケージを並べてアピールする店舗も少なくなかった。

本作はコンピュータ向けのゲームとしては非常に間口の広い動作環境のソフトでもある。大半のコンピュータ向けゲームは「その当時の最新」を追わなければまともにプレイすることもままならない作品も多いが、HALO PCでは必要最低限以外のすべての機能をシャットダウンした「セーフモード」の搭載や、後述するグラフィックボードの認識の仕様によって、よっぽどの低スペックPCでも無い限り、様々な環境で動作するよう配慮されていた。変わりに当時としては根本的な映像や物理表現、エフェクト品位等が低めとなってしまっており、若干華やかさに欠けるという欠点もあった。

グラフィック設定はXBOX版には無かったスペキュラー処理(光沢質感の表現)とシャドウ効果が追加されたが、テクスチャの解像度はXBOX版と同等、もしくはそれ以下のシーンも若干存在する。ただしゲームの解像度自体はコンピュータのスペック次第でははるかに高い設定を可能としており、地面などのテクスチャが角度や距離によってピンボケする現象も大幅に緩和され、総合的により高精細な映像でプレーすることが可能である。

グラフィックボードの世代と会社によって挙動が大きく異なるのも特徴の一つであり、DirectX7以前のグラフィックボードではほとんどのエフェクトがカットされ、マスターチーフやエリートのアーマーの光沢処理すらなくなり、灰色がかったのっぺりとした映像になってしまう。滝や川などの環境表現も大幅に省略され、XBOX版よりも遥かに劣る映像表現にとどまる。

DirectX8の世代のグラフィックボードを搭載したマシンの場合、XBOX版と同等、もしくはそれよりも上品位の映像表現となる。マスターチーフの光沢感等も表現され、本来のHALO1のビジュアルを楽しむことが出来る。

DirectX9以降のグラフィックボードを用いた場合、そらにプラスアルファした特殊なシェーダーを用いて起動し、グラフィック品位はさらに向上する。ただしこの恩恵は基本的に映像処理等に関する事で、新しいエフェクトが追加されたりするものではなく、微々たる変化にとどまっている。

また、GeForce社製のグラフィックボードを使用した場合、アイテムの一つであるステルスカムフラージュの表現がXBOX版よりも大幅に劣るという問題点もある。Geforceのボードを利用した場合、キャラクタが単に半透明になるだけで、ガラスのような屈折表現が削除されてしまう。この表現を楽しみたい場合はRadion系のグラフィックボードを搭載している必要がある。

この仕様の差について、ATI社とNVIDIA社で技術提供の積極度に差があったのではないかとも憶測されているが、事実は不明である。実際に当時のゲーム情報サイトで取り上げられた取材に対しての答えは「提供の積極度の比較については答えられない」という微妙なニュアンスに留まっている(これはNvidia社主催の会場で行われたインタビューである点も考慮材料と言える)[1]

なお、スペキュラ効果がONになった場合、壁などにも同効果が適応され、映像表現は格段に向上する。特に背景で顕著に恩恵を受けるのはコブナント戦艦やフォアランナー遺跡の壁面等で、XBOX版とは異なり、透明度の高い薄皮が一枚まとわれた様な独特な「ぬめり」のある光沢質感に変化する。これはHALO PC版の一種独特な表現であり、後の続編等とは若干趣向が異なる。

ゲーム面以外での最大の特徴は、元がDVD規格のソフトであるにもかかわらず、CDソフトとして発売された点が特筆に価する。本作が発売された当時はまだDVDドライブ自体がそれほどメジャーな装備ではなかった事も関係していたが、それ以上に、データを極限まで圧縮を可能としたのは当時も今も珍しく、現在でも前代未聞の仕様と言えるだろう。しかしその直後辺りからDVDドライブ自体の価格低下等もあり、今となっては特に恩恵は無く、その技術が使われることは無かった。

操作は一般的なマウスとキーボードの他、ゲームコントローラーにも対応している。しかしゲームコントローラー使用時でも照準の自動補正は無く、XBOX版とは操作感に大きな違いがある。

ローディング画面についても変更が加えられており、XBOX版では美しい青白い光に舞台となるHALOのシンボルとロード中を示す文字列が表示され、プログレスバーの変わりに効果音と光が横切る演出が加えられていたが、PC版ではロード画面は簡略化され、HALOの全体像をプリレンダリング一枚絵が表示されるだけに留まっている。

ネットワーク対戦については当時のPCゲーマーからはあまり評判が良くなかった作品でもある。

最大の理由は対戦システムに用いられたネットコードの品質の低さの問題である。現在のXBOX Liveで提供されている大半のFPSゲームではラグがあっても、相手にしっかりと照準を合わせて弾丸が命中すれば、時間差でもヒットする作品が大半であったが、HALO PCではキャラクタ位置の同期が正確に取れておらず、相手に照準をしっかりと合わせて発砲しても、まず命中することは無かったのである。

HALO PCで相手に弾丸を命中させるには、相手の現在表示されている位置よりも、さらに先を読んだ位置にカーソルを置き射撃する必要があった。即着弾系の武器でも、単純に左に移動しているだけの相手に命中させるとしたら、相手のキャラクタモデルからさらに数キャラクタ分左にカーソルをずらさなければならなかった。これは左右に不規則に動いている相手に対峙した場合、余計に当てずっぽうに撃たなくてはならず、余計に運の要素が強くなってしまっていたのだ。

このズレ幅は相手と自分の接続環境によって変わり、互いに回線速度が良ければズレ位置もほとんど無く(しかしどれだけ良くても絶対に無くなる事は無い)プレーできるが、回線状態の悪い者同士では命中させるのはほぼ運であり、この安定感の無い挙動は、ゲームとしてはほとんど成立していなかったのだ。

が、そうした仕様ではあっても、PC版Haloは発売以来、長い間高い人気を誇っていた。発売から4年ほど経った2007年5月の時点で、13万人ものプレイヤーがオンライン対戦を楽しんでいた。[2]

HALO PC版のネットワーク対戦は最初から対戦に参加するスタイルではなく、すでにゲームが開始されている部屋に乱入するスタイルをとっており、ホストがゲームを終了させない限り、対戦終了後に再びゲームが開始され、エンドレスでゲームが続けられる仕様となっている。ホストを立てるには二つ方法があり、普通にゲーム上からホストプレイヤーになる方法と、提供されていたサーバープログラムを用いてホストサーバーを立ち上げる方法がある。

特に後者はローテーションを設定すれば、自動でマップやゲームルールを変更してくれるため、設定は難しい面があるものの、管理が安易という特徴があった。

また、本作は日本人初のプロゲーマーを排出したソフトである。日本初のプロゲーマーとなったSIGMA氏は本作のインターネット対戦日本大会で優勝、および世界大会で好成績を残した直後にASK社と契約し、専属のゲームプレイヤーになっている。

後にインターネット対戦機能に特化し、ユーザー作成のオリジナルマップでプレーする事が出来る「HALO CE」というマイナーチェンジバージョンがインターネットでリリースされたが、ほとんど宣伝されることも無く、浸透しないままで尻すぼみに終わってしまった。これはCEを起動しているユーザーが通常の製品版ユーザーと互換を持ってプレーすることが出来ず、完全に住み分けられてしまった事も普及の妨げとなった。

HALO CEでは、正式なBOT(コンピュータ制御の敵)のサポートはされていなかったが、BOTの導入を実現したユーザーが登場し、Modによってオリジナルマップによる擬似Co-op対応に成功している。また、当時発売が控えていたHALO2の武器やグラフィックを再現したマップ等も公開されており、当時注目の的だったプラズマソードやサブマシンガンを始め、HALO2のマルチプレイヤーマップ「ザンジバー」のコピーや、結局没になってしまったニューモンバサマップの再現などが有志の手によって行われ、HALO PCはバンシー社だけではなく、ゲームユーザーにとっても様々な試みが行われた作品となったのである。

ちなみに、初回限定版にはマスターチーフの小さなアクションフィギュアが同梱されていた。カラーバリエーションはシングルプレイヤーでお馴染みの緑と、マルチプレイヤーのチーム戦で用いられた赤と青の三種類で、パッケージごとにランダムで封入されていた。アサルトライフルもセットで付いており、持たせることも可能だが、保持が悪く、人形自体の品質の低さから自立させたりポージングを維持することも難しい、現在おもちゃ屋などで販売されている高価なバージョンの製品と比較しても、作りの安っぽい粗悪品であった感は否めない。

追加要素[]

キャンペーンモードはXBOX版と全く同じであるが、ここではマルチプレイヤーでの新しい要素について紹介する。

  • 武器
    • ロッドガン (キャンペーンでは使用不可能な武器として、既に登場していた)
    • 火炎放射器 (オリジナル武器だが、元はXBOX版にも入るはずだった)
  • 乗り物
    • ロケット・ワートホグ (オリジナル兵器)
    • バンシー (キャンペーンでは登場していたが、マルチプレイヤーでは初登場)
  • マップ
    • Timberland
    • Death Island
    • Gephyrophobia
    • Danger Canyon
    • Ice Fields
    • Infinity

References[]

内部リンク[]

ヘイローワールド ゲーム
Haloトリロジー Halo:コンバット・エボルヴ(アニバーサリー) • Halo 2(アニバーサリー) • Halo 3
リクレイマー サガ Halo 4Halo: Spartan AssaultHalo:Spartan Strike
今後登場予定のHaloシリーズ Halo 5Halo 6
その他のHaloシリーズ Halo WarsHalo 3: ODSTHalo: Reach
マルチプレイ用 Halo Custom EditionHalo 2 Multiplayer Map PackHalo 3: Mythic
PC/Mac Halo PCHalo 2 ビスタ
コレクション Halo: The Master Chief Collection
開発中止のタイトル Halo: ChroniclesHalo MMOHalo DS
Advertisement